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成長のプロセス


ルカ2:40 幼子は成長し、強くなり、知恵に満ちていった。神の恵みがその上にあった。


アメリカのある企業が火星に移住するための実験として、砂漠地域に仮の火星基地を建設しました。


その施設では外界から完全に遮断された環境のなかで多くの実験が行われたのですが、植物に関する一つの実験結果が報告されました。基地の中で育てた植物は、地球の環境で育つより早く大きく成長するというのです。特にノコギリヤシは普通の状態で育てるよりも数メートルも早く大きく成長したそうです。


しかし、すぐに問題も見つかりました。早く成長した植物たちは非常に弱く、折れやすく育っていたそうです。その外見とは裏腹に中身・質という重要な部分が全く成長していませんでした。



私達は成長について「早く、大きく成長する。」このようなフレーズを聞くととても心を惹きつけられます。特にスピードに価値が置かれている現代では尚更です。


しかし、実際には健康な成長には二つのものが絶対に不可欠です。



まず一つ目は十分な時間です。

例えば、人間の体が大人になるまでの時間は平均して20年ほどです。この時間的な法則は時代や環境に左右されません。昔も今も大体20年。アメリカでも日本でも約20年です。どれだけ医療が発達してもこの時間の法則を変えることはできません。成長には一定の決められた時間が必要です。薬や環境で無理やり変えたとしても必ず何かの弊害をもたらします。成長において大切なことは急ぎ過ぎてはならないということです。


二つ目は試練です。

先ほどの仮火星基地での植物がちゃんと成長できなかった原因は、閉ざされた環境のせいで強い風を体験したことがなかったことでした。外からの抵抗力が働からない環境では植物は大きく早く成長することができましたが、代わりに本来備わるはずの植物としての耐久力が育ちませんでした。外見だけ育ち、中身の質が鍛えられなかったのです。


植物でも人でも同じことです。人が健康な成長を遂げるために試練が必要です。苦労や悩みの経験です。そのような経験が人に強さとしなやかさをもたらし、良質な人格を形成します。



イエス様の人生にも同じ成長のプロセスを見い出すことが出来ます。イエス様も公生涯に入られる前に30年という準備の時間を通られました。イエス様も赤ちゃんから大人になるまで時間をかけてゆっくり成長してご自分の人生と使命に必要な質を身につけていかれました。


また、父ヨセフを早くに亡くし、長男として家族を支えられるという苦労も経験されました。時間と試練。これは神様が人に与えた成長のプロセスです。しかし、そこを歩むイエス様の姿を聖書はこう記しています。「幼子は成長し、…神の恵みがその上にあった。」

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