私達の教会はデンマーク人のヘレン・リース、アンナ・ブルン両宣教師よって始められました。彼女達は第二次世界大戦終結の翌年1946年に別々に中国宣教に遣わされたのですが、現地で出会い宣教を共にするようなりました。
しかし、数年もしないうちに中共政権によるキリスト教弾圧が厳しくなる中で、「中国への扉が閉ざされ、日本への扉が開かれました。行って福音をのべ伝えなさい」という主の御声を聴きます。同時に夢の中で日本地図を持って助けを求める日本人男性の夢を見るということ経験しながら、日本宣教へと開かれて行きます。
使徒16章でパウロが聖霊にアジア宣教を禁じられながら夢の中でマケドニア人の叫びを聴いたことと全く同じ出来事です。1900年の時を超えて変わらずに働かれる主の姿を覚えます。
それら出来事の後、二人は長い旅を経て1950年12月31日の大みそかに神戸港に降り立ちました。
翌年1951年に北陸宣教を開始し、福井県、石川県と教会を開拓していきました。彼女達は文字通り人生そのものを主に捧げ、多くの困難を通りながらも1988年の帰国まで小松・南部を含む4つの教会を建て上げ、沢山の人を救いへと導き、多くの献身者を輩出しました。
「教会史」を書いたEEケァンズは、教会史を紐解く冒頭に「歴史は縫目の無い衣装だ。(メイトランド)」という引用文を記しています。つまり、教会の歴史は個々の断片的な出来事ではなく、連続的な一つの出来事であり、神様が描かれている一つの物語であるということです。
これは教会を考えていく上で重要な教会観です。私たちは現在の教会の姿だけを見て教会の価値を考えしまいがちですが、それは安易な教会の見方です。本当の「私たちの教会」の姿は、歴史の中で働かれる神様の物語の中に生かさていて、これからも神様の偉大な物語を紡いでいく重要な存在なのです。
若い二人のデンマーク人宣教師の人生を用いて、ドラマティックな神の物語の中で生み出された存在。そして、今も恵みにあって滅びることなく愛され生かされている存在。神の物語の中で「教会」の姿を見ていくときに、この先神様が私たちにどんなに素晴らしいご計画持って下さるのかと期待せずにいられなくなります。
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